第60回日本化学療法学会東日本支部総会
これからのICTの抗菌薬マネジメントー「使わせない」から「適正使用」へ
1.「内科臨床医の抗菌薬適正使用の実際とICTとの連携」
菊地 利明(東北大学大学院 医学系研究科)
2.「救急・集中治療現場におけるAntimicrobial StewardshipとICTとの連携」
佐々木 淳一(慶應義塾大学医学部 救急医学教室)
3.「整形外科臨床医の抗菌薬適正使用の実際とICTとの連携」
松下 和彦(川崎市立多摩病院 整形外科)
4.「ICTの立場からみた抗菌薬マネジメント」
國島 広之(聖マリアンナ医科大学 総合診療内科)
3日目の目玉は、このスポンサードシンポジウム2。
期待を膨らませ、前方の席に陣取った。
1は、届出制導入前後の変化について。
** 東北大学では、要届出薬の使用量は有意に減少(19%↓)したものの、抗菌薬全体では変化はなかったとのこと(他剤にシフト?)。
2は、Antimicrobial stewardshipに基づく多面的な対策について。
3は、整形外科領域感染症に対する抗MRSA薬の使い分けについて。
4は、多職種の協同による包括的なマネジメントについて。
・・・残念ながら不完全燃焼。
講演内容はともかく、私には焦点がぼやけているとしか思えなかった。
「使わせない」を捨てなければならない理由とは?
それに代わる抗菌薬マネジメントのあり方・方向性は?
新たなstandardを参加者と探求・議論するための場ではなかったのか?
シマダ先生(聖マリアンナ医科大学ということは、あの嶋田甚五郎先生!?)の鋭い指摘と、それに対するシンポジストの動揺ぶり・・・。
フロア内に漂った重苦しい空気は、気まずさのせいだけではなかろう。
最後の最後で仁木先生から助け舟が出て救われたが、図らずもシンポジウムの難しさを実感する機会となった。
日本における重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の疫学と臨床および今後の課題
教育講演3は、国立感染症研究所・西條雅幸先生より、西日本を中心に流行しつつあるSFTSに関するお話。
講演ではクリミア・コンゴ出血熱との共通点を指摘したうえで、SFTSの発生状況・感染経路・臨床像・病理学的所見などについて紹介された。
恐ろしい感染症が入ってきたものだが、現時点ではリバビリンの有効性が期待されてるとのこと。
1日も早い解決を期待する。
講演ではクリミア・コンゴ出血熱との共通点を指摘したうえで、SFTSの発生状況・感染経路・臨床像・病理学的所見などについて紹介された。
恐ろしい感染症が入ってきたものだが、現時点ではリバビリンの有効性が期待されてるとのこと。
1日も早い解決を期待する。
グローバルな視点からみたH7N9インフルエンザの現状と対応
教育講演4は、神奈川県警友会けいゆう病院・菅谷憲夫先生より、H7N9インフルエンザに関するお話。
主な内容は下記の通り。
講演の最後で菅谷先生は、ワクチン接種に予防効果がないこと、更にはその事実を厚労省があまり積極的にアナウンスしていないことに強い懸念を示されていた(例えば老健施設でのアウトブレイクなど)。
主な内容は下記の通り。
・重症(致死率33%)
・(H5N1よりも)パンデミックのポテンシャルが高い
・弱毒ウイルスが故に厄介!?(感染した鳥が生き残る)
・迅速キットでA型陽性となる
・ワクチン開発は困難(卵を用いると抗原変異で別物に)
・リレンザ・イナビル以外の抗インフルエンザ薬は有効
・ノイラミニダーゼ阻害薬(タミフル)耐性株は既に出現
・T-705(favipiravir)が開発中(妊婦禁・副作用強い)
・T-705・タミフル併用に期待(副作用・耐性化軽減)
講演の最後で菅谷先生は、ワクチン接種に予防効果がないこと、更にはその事実を厚労省があまり積極的にアナウンスしていないことに強い懸念を示されていた(例えば老健施設でのアウトブレイクなど)。
総括:高用量化は末期的症状か?
かつては横田健先生・清水喜八郎先生らが提唱し、戸塚恭一先生・竹末芳生先生・三鴨廣繁先生らが見事に開花させた「PK-PD理論」。
世界的に抗菌薬開発が行き詰る中、この「PK-PD理論」や「適正使用」を合言葉に、本学会は目覚しい発展を遂げてきた。
ところが、今回参加したシンポジウムでは、あるべき「躍動感」が少しも感じられなかった(悪い言い方をすれば「骨抜き」「腰砕け」。やっぱし竹末先生がおらんといかんなぁ!)。
恐らく、その元凶は「高用量化」にあるのだと思う。
何も「高用量化」自体が悪いと言っている訳ではない。
長年問題視されてきたわが国の抗菌薬の用量が、ようやく世界標準に並んだ訳だし、保険適応を気にせず十分量を使用できることは、臨床医にとっても患者にとっても朗報には違いないからだ。
ただ、「適正使用」の掛け声がトーンダウンしては困る。
その結果、一般臨床医がどうなってしまうかは想像に難くない。
「高用量化」は単に問題を先送りしたに過ぎず、「高用量」をもってしても効果のない「高度耐性化」の未来が待ち受けているかもしれないのだ。
その意味で、「高用量化」は末期的な症状なのかもしれない。
やはり、「使いたがり」の医師に全てを委ねるべきではないのだろう。
薬剤師がPK-PDやTDMなどのエビデンスをもとに適正量を突きつけて、医師の「思考停止」を防いでいかなくてはならない。
ただ、今となっては、それは相当に骨の折れる作業にも思える。
知らぬ間に、我々薬剤師は随分と追い詰められていたようだ。
世界的に抗菌薬開発が行き詰る中、この「PK-PD理論」や「適正使用」を合言葉に、本学会は目覚しい発展を遂げてきた。
ところが、今回参加したシンポジウムでは、あるべき「躍動感」が少しも感じられなかった(悪い言い方をすれば「骨抜き」「腰砕け」。やっぱし竹末先生がおらんといかんなぁ!)。
恐らく、その元凶は「高用量化」にあるのだと思う。
何も「高用量化」自体が悪いと言っている訳ではない。
長年問題視されてきたわが国の抗菌薬の用量が、ようやく世界標準に並んだ訳だし、保険適応を気にせず十分量を使用できることは、臨床医にとっても患者にとっても朗報には違いないからだ。
ただ、「適正使用」の掛け声がトーンダウンしては困る。
その結果、一般臨床医がどうなってしまうかは想像に難くない。
「高用量化」は単に問題を先送りしたに過ぎず、「高用量」をもってしても効果のない「高度耐性化」の未来が待ち受けているかもしれないのだ。
その意味で、「高用量化」は末期的な症状なのかもしれない。
やはり、「使いたがり」の医師に全てを委ねるべきではないのだろう。
薬剤師がPK-PDやTDMなどのエビデンスをもとに適正量を突きつけて、医師の「思考停止」を防いでいかなくてはならない。
ただ、今となっては、それは相当に骨の折れる作業にも思える。
知らぬ間に、我々薬剤師は随分と追い詰められていたようだ。
闘魂こめて
牡丹皮 ボタン科(Paeoniaceae)
ボタン(Paeonia suffruticosa)
根皮 日本・中国 フェノール性化合物
paeonol配糖体 paeonolide paeonoside
通経・鎮痛・鎮静・消炎薬
実はこれ、大学時代に覚えた「闘魂こめて」の替え歌なのだ。
「超」苦手だった生薬も、替え歌ならば20年以上経ってもスラスラ思い出せるから不思議だ(ラッキーセブンの時、こっそり歌ってしまったぜ)。
※ちなみに麻黄は「六甲おろし」で覚えやした。
楽勝どころか、気付かぬうちに崖っぷちに追い詰められていた(ジャイアンツ・・・じゃなくて)薬剤師。
闘魂こめて、前を向くしかないぞね!!
ところで、来年も東日本支部総会の会場はここのようだ。
来年も参加したいけど・・・・、日本シリーズは甲子園でやってね(笑)
祭の翌日、平静を取り戻した水道橋の街を後にした(紀行文終わり)
Meet the Experts
2.「血液培養の精度を高める工夫と結果の解釈」
細川 直登(亀田総合病院)
3.「薬剤感受性検査結果の読み方とブレイクポイント」
小林 寅戞陛賈大学看護学部)
4.「院内感染病原微生物の遺伝子解析:PFGE等の分子疫学的解析の実際」 満田 年宏(横浜市立大学附属病院)
5.「ヒストリーから辿る不明熱診断」
小林 治(杏林大学保健学部看護学科・医学部付属病院)
6.「職場での感染症対策」
濱田 篤郎(東京医科大学病院 渡航者医療センター)
7.「嚥下性肺炎の診断と治療」
中森 祥隆(国家公務員共済組合連合会三宿病院)
Meet the Expertsは今回初めて参加した。
1コマ20分で手頃だし、関心のあるテーマだけを聴講できて便利だ。
また、基本的・教科書的な内容かと思いきや、up-to-dateなトピックスも盛り込まれており、なかなかどうして侮れないなと感じた。
最大の収穫は、2でコンタミを防ぐうえで、消毒薬の選択が重要だということを学べたこと。
日本臨床微生物学会より「血液培養検査ガイド」が今月出版予定であり、当院の血培採取時の消毒方法を見直すきっかけになるかもしれない。
また4では、水棲菌によるアウトブレイクが発生した場合、培地の水質汚染をまず疑ってみる必要があるとのこと。
あと5では、不明熱(FUO)の原因として、粟粒(ぞくりゅう)結核の診断が相当困難であることを知った。
深在性真菌症治療における各種抗真菌薬の位置づけを考える 〜日頃の疑問に答える〜
宮崎先生より基調講演、佐々木先生より熱傷患者の深在性真菌症治療に関する講演が行われた後、特別セッションとして「ケータイゴングを用いたアンケート集計&解説」が行われた。
アンケート内容と最多回答は概ね下記の通り。
1)自施設におけるnon-albicansの分離頻度は?
⇒ 大半が40%未満 ※増加傾向であり、60%超の報告も
2)カンジダ菌血症(菌名不明)のEmpiric therapyは?
⇒ 7割がキャンディン系 ※ガイドラインあり
3)C. glabrata菌血症に対する第一選択薬は?
⇒ 圧倒的にMCFG ※座長「CPFGが少ないのは意外」
4)C. parapsilosis菌血症に対する第一選択薬は?
⇒ FLCZとキャンディン系 ※キャンディン系は非推奨
5)カンジダ菌血症治療時の血培は何日毎?
⇒ 3日毎または7日毎 ※陰性化までの連日培養は非現的
6)熱傷二次感染に抗真菌薬のEmpiric therapyは?
⇒ 6割が考慮する ※colonizationやβ-D-グルカン等で判断
7)眼内炎と診断されたら2回目の眼科診察は?
⇒ 「しない」が3割 ※座長「1週間後再診を推奨」
8)カテーテル真菌感染で重視するのは?
⇒ カテーテル抜去が大半 ※抗biofilm薬の投与も重要
最後には質問コーナーもあり、なかなか面白い企画だった。
抗菌薬高用量投与の是非
1.「肺炎診療における抗菌薬高用量投与の是非」
櫻井 隆之(千葉大学大学院医学研究院)
2.「高用量投与の是非(骨軟部組織外科感染症)」
山田 浩司(関東労災病院)
3.「がん患者における発熱性好中球減少」
冲中 敬二(国立がん研究センター)
4「尿路感染症における至適抗菌薬投与量」
堀野 哲也(東京慈恵会医科大学附属病院)
5.「集中治療領域における抗菌薬高用量治療」
林 淑朗(亀田総合病院)
前日の抗菌薬適正使用生涯教育セミナー、明日のスポンサードシンポジウム2とともに、本大会で最も注目していたシンポジウム7。
近年問題視されてきた本邦の抗菌薬の用量も、少しずつではあるが世界標準に近付きつつある。
今回のシンポジウムは、そういった「高用量化」の是非をここらで一旦検証するための機会だ(・・・と、当初私は思っていた)。
「低用量」の時代を経験した我が国だからこそ知り得た教訓はなかったのか?
しかし、今回取り上げられたのは元々高用量を要する疾患ばかり(唯一不要と思われた尿路感染症も、菌血症併発例ならば話は別・・・)。
よって、シンポジストの論調はどれもこれも「是」一辺倒。
高用量投与に「非」を唱えた論調はほとんど耳にしなかった。
※「高用量」の定義自体も曖昧だったかもしれない(「MEPM3g/日は高用量ではない」と回答されたシンポジストの先生もいたし・・・)。
わずかに「抗菌薬以外のアプローチ」の重要性が聞かれたのみ。
今回の講演、もちろんこれはこれで正論ではあろうが、こんなことで是非を論じたと言えるのか?
(この辺から、私の中では「ある胸騒ぎ」を感じ始めていた)
(高用量でも超えられない)「壁」を意識することが今後の課題
座長である大曲先生の最後のコメントがせめてもの救いだった。
MRSA肺炎を考える
1.「MRSA肺炎治療の経費対効果」
中村 茂樹(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)
2.「MRSA肺炎をどのように診断するか」
渡邊 浩(久留米大学医学部)
3.「MRSA肺炎の治療を考える」
八木 哲也(名古屋大学大学院医学系研究科)
ホテルの部屋があんまり快適過ぎて、教育セミナー10は少し遅刻に。
今回、MRSA肺炎治療に関しては、今までにない考え方を学んだ。
すなわち、院内で検出される黄色ブドウ球菌の過半数をMRSAが占める現在、(接触・血流感染で伝播するという本菌の特性を加味したうえでの)ハイリスク患者に対しては、培養結果を待たずして(=グラム染色の結果をもって)empiricalに抗MRSA薬を開始すべきだ、とする考え方だ。
治療薬の推奨度は、LZD>VCM,TEIC>ABK。
近年、VCMのMIC creepが話題となったが、測定法や検体の保存状態(冷凍)によって測定されるMIC値にズレが生じることが判明している。
その他、誤嚥性肺炎の中には化学性肺炎(抗菌薬なしで自然治癒)が相当数含まれていること、プロカルシトニンが治療の継続or終了の指標とできる可能性があることなど、最新のトピックスを知ることができた。
フォアグラ丼を堪能
2日目のプログラムはこれで終了。
K大くんと懇親会に参加し、ローストピーフ・フカヒレラーメンを始めとする豪華料理とワインを堪能した。
特にフォアグラ丼には驚きと感動!
※上のレストランでは、一食何と2100円もするぞい!
私もK大くんも何度もお代わりしやした♪
ステージ上は、ガールズ(?)バンド(バンド名は「Daisy Lazy」と聞こえたが・・・!?)によるビートルズナンバーで大盛り上がり。
最後には、草地会長との「まさか」のコラボも披露された。
草地先生、やっぱ面白い!
K大くんと懇親会に参加し、ローストピーフ・フカヒレラーメンを始めとする豪華料理とワインを堪能した。
特にフォアグラ丼には驚きと感動!
※上のレストランでは、一食何と2100円もするぞい!
私もK大くんも何度もお代わりしやした♪
ステージ上は、ガールズ(?)バンド(バンド名は「Daisy Lazy」と聞こえたが・・・!?)によるビートルズナンバーで大盛り上がり。
最後には、草地会長との「まさか」のコラボも披露された。
草地先生、やっぱ面白い!
2013年10月30日
学会旅行の思い出(水道橋編;1日め)
第60回日本化学療法学会東日本支部総会
第62回日本感染症学会東日本地方学術集会
第96回日本細菌学会関東支部総会
会期:10月30日(水)〜11月1日(金)
会場:東京ドームホテル
テーマ:「新たなる時代へ 今できること するべきこと」
横浜に続き参加できることとなった(今回はK大くん一緒)。
何と何と、今回の会期は日本シリーズと丸カブりで、フフフフ・・・・。
引き寄せの魔法
K大くんはANA、私はJAL、それぞれ朝イチの便で東京へと向かう。
これまでも幾度となく訪れた東京ドームシティ。
迷うことなく、会場の東京ドームホテルに到着〜。
すると、私より25分も前に出発した筈のK大くんと受付で遭遇。
横浜の時といい、なぜか引き寄せ合う「ありふれた」この魔法よ。
これまでも幾度となく訪れた東京ドームシティ。
迷うことなく、会場の東京ドームホテルに到着〜。
すると、私より25分も前に出発した筈のK大くんと受付で遭遇。
横浜の時といい、なぜか引き寄せ合う「ありふれた」この魔法よ。
HIV感染症治療のリアルワールド
教育セミナー1は、「(体調崩して)これが最後の講演」だとか「暗黒面」だとか、妙におどろおどろしい(!?)山本泰之先生(東京医科大学)のお話。
HIV感染症治療の最大の問題点は、患者の「早期老化」にある。
すなわち、患者が50歳を過ぎた時点から合併症(CKD・骨折・認知症・悪性腫瘍・B型肝炎等)が急増し、とりわけ悩ましいのは、そのような患者を総合的・横断的に診療できる医師が絶対的に不足している点だ。
一方で薬物治療の方は着実に進歩してきており、将来的には「治癒」も夢ではないかもしれない。
しかし、患者の増加・高齢化が進んでいる現状にあって、人材不足を補えるのは「感染症医をおいてほかにない」と、山本先生は力説された。
投与量設定と投与方法の適正化
1.「各種薬剤とPK-PD」
三鴨 廣繁(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学)
2.「臓器障害と相互作用」
木村 利美(東京女子医科大学病院薬剤部)
3.「Up to date」
矢野 晴美(自治医科大学臨床感染症センター・感染症科)
4.「ケーススタディ(2題)」
本学会で最も注目しているテーマは、「(抗菌薬の)用量マネジメント」。
言うまでもなく、(TDMも含め)薬剤師が最も関与できる分野だからだ。
抗菌薬適正使用生涯教育セミナーの後はシンポジウム1。
薬剤師向けのセッションを、混み合わない初日に持って来るとは、なかなか心憎い演出だ。
三鴨先生は、PK-PD理論のUp-to-date、特にExtended infusionや「持論」のTissue-targeted PK-PD、新薬(TGC・DAP)に関する話題。
** DAPやITCZのTDMの必要性
木村先生からは、特殊病態下における用量設定について。
** 「mg/kg」での用量標記の注意点(「/1.73屐廚省略されている)
矢野先生からは、(ストレッチの後)直近3年間の論文が紹介された。
** TGCによる死亡リスク(FDA)、CNSへのVCMの保険適応(公知申請)
また、ケーススタディでは、二剤耐性緑膿菌肺炎とリステリア性髄膜炎の2症例が検討された(概ね予想通りの展開だったので少しホッとした)。
抗菌薬適正使用への新たなアプローチ ー薬剤師はどのように関わっていくべきか?ー
1.「初期投与の際の薬剤師の関与(PK-PDのアドバイス)」
五十嵐 正博(国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 薬剤部)
2.「TDMを現場でどのように生かすか」
藤居 賢(札幌医科大学附属病院 薬剤部)
3.「抗菌薬使用状況の集計とフィードバック」
望月 敬浩(静岡県立静岡がんセンター 薬剤部)
4.「担当医への効果的なアプローチ-問題解決思考・CDTMへの展開-」
前 浩史(東京女子医科大学病院 薬剤部)
5.「アンチバイオグラムを活用してもらうための工夫」
中村 造(東京医科大学病院 感染制御部)
シンポジウム1は、薬剤師向けにもかかわらず、広い会場が埋め尽くされる盛況ぶりで、薬剤師の参加者の多さをあらためて実感した。
五十嵐先生は、抗菌薬初期投与設計の体制に関するお話。
** 虎の門病院の「師弟」制度(上級薬剤師によるサポート体制)は、当院でも手本にしているシステム。
藤居先生からは、病棟薬剤師によるTDM活用例の紹介。
** 薬剤師間のスキルの格差は、ガイドライン・上級者のサポート・研修会等で補っているとのこと。
望月先生からは、抗菌薬使用量の指標(AUD等)の取扱いについて。
** 単なる集計ではなく、目的(アウトカム)を意識した活用が肝要。
前先生からは、薬剤師の職能を活かした臨床介入とCDTMについて。
** 自施設における情報を収集し、それを医師と共有することが重要。
中村先生からは、アンチバイオグラム活用上の留意点について。
** 「できるだけシンプルに」「スリムに」がポイント。